Denno Coil ! 電脳コイルって? |
COIL A
CIRCLE OF CHILDREN
|概要|スタッフ&キャスト|キャラ|エピソード|都市伝説|各話データ|テーマ曲|グッズ|投票|リンク|
■ 話数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 ■ エピソード 注:内容が詳述されています 第1話 「メガネの子供たち」 絵コンテ:磯光雄 演出:安川勝 作画監督:本田雄 子供たちの噂によると、大黒市では最近ペットの行方不明事件が多発しているそうです。 大黒市に引っ越してきた小学六年の優子と妹(京子)と電脳ペットのデンスケ。 デンスケを心配する優子。幼いころの優子。おじいちゃんの葬式で、おじいちゃんからのプレゼントを開ける。入っていた電脳メガネをかけると、子犬が目の前に寝転がっていた。 優子はフサエにデンスケ救出を依頼する。フサエによるとデンスケは廃棄された空間に迷い込み、黒い生き物はイリーガルという電脳生物らしい。デンスケにとってそれは危険な状態だという。フサエは見たこともない道具を次々に取り出し、デンスケ救出作戦を開始する。イリーガルが関わってるとなるとおちおちしてられない。「キューちゃん」と呼ばれる空飛ぶ球体がきっと嗅ぎつけてくるだろう。奴が放つビームに当たれば、無傷では済まない。デンスケ探索が始まるが、悪い予感は当たった。救出をあきらめるフサエ。優子の耳にデンスケの悲痛な声が届く。 優子「デンスケ…」 デンスケ救出を決心する優子。キューちゃんは目と鼻の先に迫っていた。フサエのしもべこと電脳ペットの「おやじ」の活躍によって、デンスケは救出される。ホッとする間もなく逃げる二人。しかしもう一体のキューちゃんに挟まれる。そして、壁から巨大な物体が姿をみるみるあらわしていく。 優子「今度はなに!?」 赤く洋ナシ型の同体に、鳥の足のような巨大な銀色の手、上部には愛らしい顔のマーク。目が不気味に光る。 優子「いったい…いったいどうなってるの!?この町は!?」 第2話 「コイル電脳探偵局」 絵コンテ:村田和也 演出:安川勝 作画監督:本田雄 都市伝説によると、ミチコさんを呼び出した子供はあっちに連れて行かれてしまうそうです。 優子「デンスケを助けてくれてありがとう。探偵さん」 デンスケを救出し、サッチーから逃れて安心するヤサコとフミエ。 メガ婆「薬、練ってやるぞ」 メガ婆の職人技によるお手製「電脳虫下し」のおかげで、デンスケはひとまず安心。ウィルス分離が完了するまで後1日ほどかかる。「がめつい」メガ婆は薬をただでやるかわり、探偵事務所の会員になれという。ヤサコの胸に八番のバッチが輝く。にっこりほほ笑むフミエ。 フミエ「コイル探偵局にようこそ!」 新居の整理をするヤサコ。ふと、幼いころの絵日記に目がとまる。下手な字と絵の中に、「4423」と不思議な絵。「4423ってなんだろ?」 ???「ユウコ…鍵を開けてはならない。…あれに…近づいてはならない」 静かな夜、何者かがデンスケ経由で寝ているヤサコに夢を見させる。 ???「僕は…4423。…君の兄ちゃんだ…」 霧の向こうから苦しそうに語りかける謎の人物。長い階段に鳥居が連なる。どこかで見た風景。兄と名乗る者。お兄ちゃんなんていないのに。 翌朝、新しい学校に向かうヤサコ。京子は邪魔ものがいなくなるのを見計らってデンスケに襲いかかる。だが、他にもデンスケを狙っている小さな者たちがいた。京子の魔の手により粘土のうんこを乗せられ哀れな姿になってしまったデンスケ。追い打ちをかけるようにモジョたちが襲いかかる。必死で逃げるデンスケ。この小さくかわいいモジョたちの力は侮れない。反撃をくらった京子は、パケット料が大変なことになってしまった。しつこくデンスケの捕獲を狙うモジョ。だが、メガ婆がモジョたちの前に立ちはだかる! 第3話 「優子と勇子」 絵コンテ・演出:横山彰利 作画監督:伊東伸高 業界の噂によると、メガネにはよく知られてない隠し機能があるそうです。 腰を痛めるメガ婆。モジョ撃退は京子に託された! ヤサコ、イサコを追い工事中の駅ビルの中へ。イサコの腕の中で突然イリーガルが分離する。デンスケはちょうど前日の治療から一日が経過していた。謎の少女はイリーガルに鍵を差し込み解放させようとする。だが空間が壊れ、イリーガルは砕け散ってしまう。その始終を見守るヤサコ。鍵穴に何か引っかかるヤサコ。そこに壊れた空間を見つけサッチーがやってきた。 フミエはあの少女が暗号屋だと気付く。あの暗号屋は何者で、大黒市に来た目的はいったい何なのか?そして、この町が持つ秘密とは…。 第4話 「大黒市黒客クラブ」 絵コンテ:笹木信作 演出:安川勝 作画監督:板津匡覧 ネットの噂によると、数年前にある暗号屋が空間を破壊しようとしたそうです。でも、その暗号屋がどうなったのか誰も知りません。 天沢勇子。転校してきた少女は暗号屋だった。フミエは彼女の正体を探ろうと話しかける。 フミエ「あら?あなたもユウコっていうのね!偶然ね!……(略)……あなたは『勇ましい』って書くのよね?としたらイサコだわ!よろしくね!」 無愛想で反抗的なイサコはダイチに目をつけられる。ダイチの電脳イタズラを返し、メガネを壊した彼女の卓抜したハッキングは「イマーゴ」と呼ばれるメガネの隠し機能によるものだった。 人を拒絶し孤高なイサコ。心配し、絆を求めたヤサコに投げかけた言葉は、ヤサコに厳しいものだった。イサコは過去のヤサコを知っているのだろうか? そして、ハッカーとしてプライドを傷つけられたダイチ達「大黒黒客クラブ」とイサコの「戦争」が始る。 イサコ「いつもこれだ。こっちが何もしてなくても、あっちから手を出してくる」 両者の戦いを見守り、隙を狙うフミエ。ダイチとイサコの能力の差は圧倒的なものだった。黒客クラブは無残な姿をさらし、多額の損害だけが残った。 イサコ「お待たせ。遊んであげる」 第二回戦が始まった。イマーゴを使うイサコ。メタタグ使いのフミエ。 第5話 「メタバグ争奪バスツアー」 絵コンテ:横山彰利 演出:池添隆博 作画監督:押山清高 ネットの噂によると、メタバグの中には時として音や映像などの情報が含まれているそうです。それがどこから来たものかよくわかっていません。 電脳戦争で多額な損害を出したダイチらは、メタバグを集めに奔走していた。損害はお年玉換算で12年分。途方もない金額にいらだつダイチ達の前に「メタバグの大鉱脈」の話を切り出したイサコ。背に腹のかえられないダイチらは彼女に従うしかなかった。 その話を盗み聞いたフミエは、ヤサコと生物部部長で探偵局六番のハラケンと一緒に「黒客追跡ツアー」を企てる。 次の日の休日、ダイチはイサコに使役されながらも、空間からメタバグを掘り出す技術を探ろうとするのだが、イサコには彼らを利用する思惑があった…。イサコに連れられ、ダイチ達が見たものは山奥に打ち捨てられた「バスの墓場」だった。 電脳霧が漂い、屑バグが散らばり、人が来ないためデータが古いままのバスの墓場。何台もバスの床を言われるがまま掘らされるダイチ達。騙されていると思いながらも、やっと爆発性のメタタグの中に換金可能なメタタグを見つけ喜ぶ。メタタグ探しに没頭する黒客クラブ。独自の行動を取り始めるイサコ。黒客クラブを使ってあるモノを探させていたが、バスはほとんど掘り終えてしまった。イサコは爆発性のメタバグが多いこの場所を利用してとある考えを実行することに…。 ダイチ達は穴掘りに精を出し、尾行していたフミエらも退屈し始めた頃2体のサッチーがやってきた!逃げるヤサコとフミエがダイチ達の前を通り過ぎる。サッチーのビームは爆発性メタバグに引火し大爆発する。ダイチらに置いてけぼりにされた四年のアキラはフミエ達に助けられる。いきなりフミエに尻を剥かれ叩かれるアキラ。 アキラ「ゆるしてぇ〜お姉ちゃん!」 なんと、アキラはフミエの弟だった。 イサコ「これだけのエネルギーがあっても駄目なのか…」 火の海の中で、体のデータが不安定になり切羽詰まるダイチ達。イサコが結界の中で大量のメタバグを高々と掲げる。 イサコ「これ分けてやろうか?欲しい?」 火に囲まれ、壊れていく体のデータ。イサコに籠絡されるナメッチ、金に従うガチャギリ。デンパはダイチに信頼を寄せ、「ダイチについて行く」と言葉にするも…暗号屋の技術に目が眩んだダイチには微塵も届かなかった。 イサコ「今から私が大黒黒客のリーダーよ!」 サッチーに追い詰められたフミエ、ヤサコ、アキラ。おびえる三人を尻目に、サッチーを犬のように手なずけるハラケン。無口でおとなしいこの少年はいったい…。 第6話 「赤いオートマトン」 絵コンテ:大塚雅彦 松林唯人 演出:木村延景 作画監督:秦綾子 新聞によると、メガネをかけた子供の交通事故が増えているそうです。 子供たちの「天敵」サッチーを操るハラケン。フミエとヤサコは強引に関係を問いただすも、文字どおり「煙に巻かれ」てしまうだった。直接聞き出すのをあきらめた2人は、秘密を暴くべく尾行を始める。 去年の夏休み、ハラケンは共にイリーガル研究を始めた幼馴染のカンナを交通事故により失う。それからハラケンはより無口に、そして暗くなったという。しかし、それはそれとフミエはハラケンの疑惑に鼻息を荒くする。 花屋のおばさんと談笑するハラケンを目撃するフミエとヤサコ。そこに、隣の郵便局から出動するサッチー。フミエらは確信する。あのおばさんこそが子供たちの敵「サッチー」の影の支配者であると。ハラケンの謎はますます深まってゆくのだった。 ハラケンを尾行して行き着いた先は花屋だった。しかし、単なる花屋ではなかった。隣の郵便局から出動するサッチーを見たフミエとヤサコは花屋のおばさんは実はサッチーの影の親分と決めつける。ハラケンを見失った2人は、サッチーの生態観測をする。京子は二人が研究に熱心で全然かまってくれないのを寂しがり、ちょくちょく邪魔をする。サッチーに危ない目に会うのも懲りず、同じことを繰り返す。そして、通りかかったハラケンに助けられるのだった。そんなハラケンにきつく当たるフミエ。 フミエ「一か月前、あたしのペットがサッチーに撃ち殺されたの…」 フミエは三年前ネズミの電脳ペットを亡くしていた。それ以来、もうペットは飼わないと決め、オヤジもしもべだと語る。 フミエからサッチーを避けて、安全に帰れる地図を渡された京子はデンスケと帰るように言われる。しかし、途中転び、地図が読み取れなくなり、迷子になってしまう。 一方、サッチーの生態観測を続けるフミエとヤサコ。花屋のおばさんから真実を聞くため、ヤサコからバグを全て取り除く。だが、やっぱり攻撃を受けるヤサコ。そして最も単純なメガネの電源を切るというのを考え付くのであった。二人はあばさんから真実を聞かされる。 フミエとヤサコがカンナの事故現場に行くと花をたむけるハラケンの姿があった。ハラケンは語る。カンナと喧嘩し、1人でイリーガルを調べにハザマ交差点に行き、そこで事故にあったんだと。 ハラケン「カンナはイリーガルに殺されたのかもしれないんだ」 カンナは電脳ナビによる自動運転中の車にひかれた。絶対に事故が起きない交通システムのはずだった。ハラケンは父親の妹の「おばちゃん」から誤作動の原因はイリーガルかもしれないと聞く。おばちゃんはサッチーを導入した空間管理局の人間。彼は今年もイリーガルの研究を続けたいと言うと、おばちゃんは一分だけサッチーを停止させる方法を教えてくれた。自動運転中の事故は罪に問われない、この事故はカンナの不注意とされてしまった。ハラケンはカンナのために自由研究をつづける決意を語る。ヤサコとフミエは彼に協力するのを誓った。 京子がまだ家に帰っていないのを知ったヤサコ。ハラケン、フミエと一緒に探す。道路を横切ろうとする京子。ヤサコは見つけ走り出す。つまづいて転ぶ京子に、トラックが迫る。黒いライダースーツに身を包んだ女が京子を助ける。駆け寄るヤサコに女はメットを脱ぐ。メガネをかけた若い女。そこにサッチーの「足音」が近づく。ヤサコとすぐ前に合流したフミエは身構える。若い女の「待て」の言葉に停止するサッチー。驚く二人に、ハラケンがやってきて、衝撃の言葉を発する。 ハラケン「あっ!おばちゃん!」 さらに、驚くヤサコとフミエ。 調整中のサッチー。さらにサッチーを増員させるおばちゃんこと原川玉子。その書類を渡され困惑する空間管理室室長はヤサコの父だった。なぜこれほど強力なマトンを導入するのか?玉子は言う。 玉子「(サッチーの追加の必要性を問われ)これでも足りないくらいよ!そのうち嫌でも分かるわ」 その頃、ヤサコの家にイリーガル研究の話し合いのために集まった三人。疲れ切った眼をして、気が抜けているヤサコ。その周りを元気にブーンブーンと走り回る京子。京子はすっかり玉子に影響されて、これが新しいマイブームになったのであった。 第7話 「出動!コイル探偵局」絵コンテ:笹木信作 演出:野上和男 作画監督:尾崎和孝 人の世での噂では会いたい人のことをずっと考えていると、ふいにバッタリ出会うことがあるそうです。 イリーガル研究にはそれなりの予算が必要だった。そこにメガ婆の連絡が入り、電脳探偵団の仕事が依頼される。その電脳ペット探しにはキラバグが関わっているらしいく、見つければ3割のお礼がもらえるという。渡りに舟の2人に断る理由はなかった。 電脳ペットのハムスター「マンタ」が目撃された廃工場。イサコら黒客クラブの連中もここでなにやら企てていた。イサコはイリーガルを呼び出そうと新しい暗号式を試みる。しかし邪魔が入り暗号式は乱れ、イリーガルを逃してしまう。ヤサコは何も知らずにイサコが張り巡らした罠に侵入し、イサコと共に閉じ込まれてしまった。近くには京子がいるはず。だが京子は全く状況をつかめず、ガラスの向こうで叫ぶ2人を見て笑う。イリーガルは京子が抱きかかえる電脳ペットを追いかける。京子が逃げてしまい、2人はまたもや取り残されるのであった。 ヤサコ「それにしても、なんであんなウィルスがうろついているのかしら?」 イサコ「あれはウィルスじゃない。・・・知りたいか?」 イサコは話し始める。イリーガルの怖ろしい正体。恐怖で耳をふさぐヤサコ。突然イサコは笑い出し、作り話だと打ち明ける。ヤサコは怒って両手を振り下ろすと、一瞬電波がつながった! キューちゃんにも追われる京子は朽ちかけた階段を昇る。脱出したイサコは、今まさに崩れようとする足場にいる京子を見つける!迫るキューちゃんを足止めし、京子に手を差し伸べるイサコ。 イサコ「おい!幼児!そこは崩れるぞ。危ないぞ!」 軋む足場に震えて動けない京子は怯えるばかり。イサコは安心させようと優しく諭す。そして、足場は崩壊し、京子は間一髪で救出された。お礼を言うヤサコ。イサコのそっけない態度は変わらず、ヤサコは寂しそうに問いかける。 ヤサコ「・・・私達、やっぱり友達になれないのかなぁ?」 断るイサコだが、最後に可能性を残した言葉をいい去ってゆく。 第8話 「夏祭り、そして果し合い」 絵コンテ:増井壮一 演出:岩崎太郎 作画監督:新井浩一 都市伝説によると、メガネをかけたまま眠って、夢の中であっちに入り込んでしまった子供がいたそうです。 一学期終業式の日、体育館には何故かハラケンのおばちゃんの姿。そして、カンナの母親が喪服姿で立っていた。校内を調べる玉子。その介入に気づき、警戒するイサコ。学校を舞台に思惑が絡み合う。 ハラケンはカンナのメガネを母親からもらう。鍵がかかっているという。孤独に事故の原因を追い続けたハラケン。彼を気にするヤサコはどこか寂しげである。 日が落ち、お祭りで賑わい始める神社。浴衣を着た女の子たちはいつもと違うしとやかな雰囲気を身にまとい、男子を惑わしてしまうものだが、ダイチもその例外ではなかった。果し合いをたたきつける役目を負ったダイチはフミエの浴衣姿と白熱灯に照らされたつややかな髪、そして以前からの秘めた思いになかなか言い出せずにいる。そんなダイチを見かねたイサコは、決心させようとダイチを追いこむのであった。 イサコ「私、呼び出せるの。ミチコさん」 ダイチ「それがどうした」 イサコ「あいつらのメガネを取り上げるのにミチコさんの力を借りてもいいんだけど。あんたがやれば一番穏便 に片付くわ」 ダイチは自分と決別しなければならなかった。幼馴染としてのあらゆる思いを捨て去って、強い言葉を必要とした。 ダイチ「俺はお前なんか大っ嫌いだ!」 神社の片隅でイリーガルを見つけるハラケンとヤサコ。犬の鳴き声を発するイリーガル。まさか、カンナのペットのクロエなのだろうか?弱々しいこのイリーガルはメタバグをハラケンに渡し、キューちゃんの攻撃で消されてしまう・・・。一体、イリーガルとは何なのだろうか? そして、鳥居の下で向かい合うダイチとフミエ。意地と愛を胸にメガネを賭けた熱い電脳合戦が始まる・・・。 第9話 「あっちのミチコさん」 絵コンテ:笹木信作 演出:野上和男 作画監督:井上鋭 子供の噂では、ミチコさんの正体はイリーガルではないかと囁かれています。 生物部の親善合宿。果し合いはその夜に行われる。だがそれは、イサコが仕組んだ別の目的のための目くらましであった。一方、ハラケンはクロエから託されたメタタグを調べる。 メタタグ耳に近付けると微かに声が聞こえた。デンパに調べてもらうと、4423と聞こえるという。 さまざまな思惑の中で合宿が始まった。ダイチらはフミエが怪談話に弱いとの情報をキャッチし、作戦を立てていた。肝試し形式の電脳合戦は、事前に行われる余興の怪談話により効果を発揮するはずであったが、思わぬハラケンの活躍により双方とも怖がらせる結果になってしまった。ハラケンが披露した都市伝説は、ミチコという少女が都市伝説になった「ミチコさん」にどうしてなったかの話であった。ミチコさんは朝の学校でいつの間にか電脳体だけの体になってしまい、黒い生き物の姿に変わり果ててしまったという。 肝試しという名の電脳合戦がはじまった!2人一組で学校の屋上に人形を置き、その数を競う。道中には相手方が仕掛けた電脳トラップが進行をふさぐ。この影響で玉子はイサコを探知不能になる。そう、これはイサコが仕組んだかく乱作戦であった。ダイチらとフミエらが電脳トラップをかいくぐり、競争している中、玉子とイサコはイリーガルから分離したキラバグを追う。そんなことを知らずにいる子供達も、徘徊する小人の少女のようなキラバグが発する笑い声を聞き、怖がるのだった。双方ともこれを相手の仕掛けだと思っていた・・・。 フミエとアイコはヤサコとハラケンにバトンタッチする。道中でハラケンは、あの声に導かれるようにヤサコから離れてしまう。彼の目の前で、キラバグが壁を抜けて職員室に入ってゆく。教室の戸を引くと、夕焼けの廊下だった。どこまでも続く廊下の中心にピンクの電話。ハラケンはダイヤルを回す。「4423」。受話器から聞こえたのは誰かの笑い声と、彼がいつも聞いていたカンナの声だった。ハラケンは意識を失う。 倒れているハラケンを尻目にイサコはキラバグを捕えた。 イサコ「わかるでしょ?ここにいるわよ。あなたの仲間が。・・・私と結合するのよミチコ!」 ハラケンを追ってきたヤサコは目撃する。いつか建設現場でみた光景だった。イサコに吸収されるミチコと呼ばれるキラバグ。イサコの胸の鍵穴が光る。 第10話 「カンナの日記」 絵コンテ・演出:平松禎史 作画監督:向田隆 ネットの噂によると、メガネが発売されるずっと前から、中津交差点は事故の多い怪奇スポットだったそうです ミチコさんを吸収し、サッチーを破壊する「力」を得たイサコ。果し合いは引き分けに終わった。目的を達成できなかったダイチはイサコに黒客を追い出され、共に抜けたデンパと元祖黒客を立ち上げるのだった。 「自由研究」を開始するハラケン、フミエとヤサコ。ハラケンが夢で見たという「道順」を頼りに目的地へ。狭く入り組んだ道を行くと一見何の変哲のない場所。しかし、「道順」がパスワードになっていて古い空間が開いていたのだ。そこにはカンナがハラケンに託した手紙があった・・・。 手紙にはパスワードが書かれていた。しかしそのままでは使えなかった。ヤサコは部屋で一人、あの男の子がハラケンだったらと想像し照れて、もだえた。その拍子にパスワードを解き方を見つけ、ついカンナの日記を読んでしまう。後悔が彼女に重くのしかかった。 翌日、ヤサコはハラケンに謝る。日記にはハラケンに対するカンナの思いが連ねてあった。日記を読み、嗚咽するハラケン・・・。 とある病院。花束を持っておじを見舞うイサコは学校では見せない意外な面をのぞかせる。子供らしい笑顔を見せ、おじにお兄ちゃんがもうすぐ帰ってくると喜びを表す・・・。 日は傾き、ヤサコの制止もきかず、事故の究明に頑ななハラケン。そこに、「道」をしる謎の男が彼らに興味を持つ。彼が言う「あの少女」とはカンナのことなのだろうか? 第11話 「沈没!大黒市」 絵コンテ:横山彰利 演出:野上和男 作画監督: 井上俊之 ある統計によると小学六年生が男女でケンカした場合、女子の方が勝つ確率が少し高いそうです。 元祖黒客は資金集めにイリーガルを探すことにした。アキラの情報によれば、イサコがイリーガルからメタバグを取り出したという。何故かついてくる京子だったが、古い空間を不思議と簡単に見つけるのだった。 ダイチは京子からフミエが古い空間から電脳釣りざおで電脳ペットを取り出したことを聞いて、さっそく空間に釣り糸を垂らすのであった。だが何も釣れず、キューちゃんに空間はフォーマットされ、ダイチらは神社に逃げ込んだ。デンパがダイチを諦めさせようとした時、京子は釣り針に小さなものを見つけた。よく見ないとわからない米粒大の魚のイリーガルが引っ掛かっていた! 魚のイリーガルを持ち帰ったダイチはメタバグがとれることを夢見る。魚は自分の周りに電脳水で満たし、テクスチャーを食べてどんどん大きくなる。デンパは恐ろしくなって、逃がすよう言うのだが、ダイチは成長するメタバグの塊を想像して飼育に没頭するのであった。久しぶりに駅前でダイチを見かけたフミエとヤサコはやつれ果てたダイチの姿に驚く。餌のテクスチャー剥がしで疲れきった様子のダイチは何かの中毒者のような表情をしていた。ダイチはイリーガルを金魚ちゃんと呼び、病的な愛情を注ぐ。巨大化したイリーガルが大地の部屋を壊すのじゃないとと懸念したデンパは外で育てるようにしてもらう約束をしてもらった。 だが翌朝、もう餌がもらえないのを知っているかのようにイリーガルはどんどん巨大化しダイチの部屋を破る!手に負えなくなった金魚を見て呆けてしまったダイチ。イリーガルは古い空間をどんどんと増殖させ、行動範囲を広げ、キューちゃんさえも食べてしまう。デンパはフミエに助けを求めるが、この大事を前にフミエは土下座を求めた。デンパの土下座では飽き足りなくダイチにも、いやダイチにこそ土下座を求めた。これはあのお祭りのうらみなのだろうか、それともフミエの激しい性格のせいなのか?だが、ダイチはすでに玉子に捕まっていた。玉子はイサコによって破壊されたサッチーの損害のために減俸間近で気が立っていた。魂を抜かれた抜け殻のダイチは玉子に見つかり犯罪者になっていた! 電脳水によって沈没した大黒市。玉子はサッチーで撃退を試みるも、電脳水の中でコントロールを失ったサッチーはまんまとイリーガルの餌食に。不意を突かれ転んだ玉子は自分も食べられてしまうと覚悟したものの、イリーガルにまずそうな顔をされ逃げられ、なぜか悔しがる。 ダイチらを探すヤサコらと野次馬のメガ婆。ダイチをバイクに乗せた玉子が彼らの前に現る。玉子はメガ婆にこの非常事態の協力を仰ぐ。しかし、メガ婆は玉子を知らないという。玉子はバッジを見せる。コイル電脳探偵局会員番号二番だった。思い出すメガ婆。ワクチンソフトのメタバグを練り、玉子からデバイスを渡される。 玉子「これでワクチンを作れババア!」 メガ婆「いやじゃ。頭を下げて頼め。・・・4年前じゃったなぁ。お主に貸しがあったよなぁ」 玉子「思い出してきたようね」 4年前にいったい何があったのかわからない。玉子が関係したと思われる事件。玉子は素直にメガ婆に頭を下げ頼む。玉子を許した(?)メガ婆はメタタグを生成する。その時、突然フミエがメタタグを奪い取った!玉子に取引を申し出る。ダイチを見逃してほしいとの頼みに、ヤサコはフミエの優しさに感動する。刻一刻と悪化していく状況に玉子は仕方なく承諾する。だがさらにフミエは要求した! フミエ「ダイチ!土下座して言いなさい。果し合いの結果は無効。そして、ごめんなさいって」 フミエと玉子に圧されて、屈服したダイチ・・・。そして子供たちは走り出した。ワクチンソフトは水の空間が一番濃いところでやらなければならない。閉鎖された市営プールがそこだ。フミエはメタタグで出来た栓を抜く!渦を巻いて、吸い込まれてゆく電脳水。イリーガルは水を失い縮小してゆき、サッチーにとどめを刺された。事態は一件落着。イリーガルは電脳交通システムに影響を与えない種のものだった。自由研究は始まったばかり。金魚を失って落ち込んでるかのように見えたダイチもまだあきらめてはいなかった。 第12話 「ダイチ、発毛ス」 絵コンテ:磯光雄 演出:木村延景 作画監督:秦綾子 ヒゲ達の噂によると紀元5550分。ヤサコさまが約束の地にお導き下さるそうです。 男として奈落の底に落ちたダイチ。巻き返そうとダイチが考えるのは相も変わらずメタバグ集め。姉にかまってもらえないのか、ダイチとデンパのメタバグ集めにずっとついてく京子。 日が暮れると、京子は疲れて寝てしまった。おんぶして家に送るのだが、ヤサコに開口一番に誘拐と疑われる哀れなダイチ・・・。家に帰れば、風呂上りの裸の父に「俺がお目の年ごろにはボッサボッサだったぞ」と馬鹿にされ、男として傷つく悩める男子。 登校日、憔悴した顔のダイチが姿を現した。メガネをかけるとダイチの口周りには立派なヒゲが! ダイチの髭はイリーガルだった!メガ婆の電脳顕微鏡で観察すると言葉を話し、目を持っていた。そして、ダイチだけではなく京子も感染していた。どうやら、キスでもしなければ感染しないらしい。ヤサコ、フミエ、ハラケン、デンパは彼女から逃げようとするが、いたずら心に燃える京子にさっそくデンパが犠牲になり、ほかの皆で取り押さえる。ほっとするのは束の間、依然京子の口に触れたヤサコの指にイリーガルが・・・。イリーガルは感染のスピードを早め、急成長しすっかりみんなはヒゲだらけになってしまった。女の子たちにはなかなかのショッキングなことはもちろんで、メガ婆のワクチンソフトの開発が待たれるのだけれども、イリーガルを観察し言語を翻訳するソフトを作ってしまう。 ヤサコは徹夜でヒゲの観察に夢中になっていた。メガ婆のソフトにはチャット機能があり、ヤサコはまるで神様のようにヒゲ達に助言を与えていた。だが、大黒市はこのヒゲ達が蔓延していた。サッチーも大わらわで市民の顔を破壊して周る。ヒゲ達はその文明をどんどん発展させていった。他の皆もヒゲ観察にはまる。ヤサコのヒゲは一番発展していて、ロケット発射が目前。めでたくロケットが発射されるのだが、なんとそれは核弾頭だった。無駄な争いはやめるよう説得するのだが戦争は終わらず、戦争は他の人のヒゲへと拡大してゆく。ヤサコらの手に負えなくなった。ヒゲはヤサコに語りかける。ヤサコさまは喧嘩をしないのかと・・・。何も言えなくなる子供たち。フミエはこんなヒゲ滅んでしまえばいいんだと怒りをあらわにする。そして、いつの間にか戦争はやんでいた。ヒゲ達は幾多の戦争により、文明は前世紀に後退してしまった。疲れ果てたヒゲ達は自らの愚かさに気づき、やり直すためにヤサコに新天地を求めた。ヤサコの「お導き」によりヒゲ達は安全な場所に移住を果たし、大黒市の異常事態は収拾したのだった・・・。 第13話 「最後の首長竜」 絵コンテ:村田和也 演出:野村和也 作画監督:押山清高 昔の人の言葉によると、本来人は必ず自分の進むべき道を知っているそうです。でも、一番大事な道こそ見失いがちなのだそうです。 ヤサコはハラケンとカンナの日記にあった古い空間への道を一つ一つ調べていた。カンナは古い空間で必ずイリーガルに遭遇していたらしい。魚、ヒゲなどのイリーガルを見てきたヤサコ達。古い空間にはまだ知らないことがありそうだ。とあるグラウンド。電脳霧が辺りを漂う。そこに、デンパが巨大なイリーガルを前に立っていた・・・。 逃げて!と叫ぶヤサコ。でも、恐竜のようなイリーガルはデンパに懐いていた。デンパはこのイリーガルにクビナガと名づけ飼っていたのだった。デンパは昔から大きいペットが欲しかった。最初このクビナガと出会った時、小さくグラウンドからはみ出て弱っていた。驚いたデンパがメタバグをこぼしてしまうとクビナガはそれを食べ元気を回復した。グラウンドには仲間と思われる大きな首長竜のイリーガルが何頭もこちらを怯えた目で見ていた。 クビナガは黒い部分を水と認識し、白い部分には弱かった。システムの誤認のせいだ。違法でサーバーに負担をかけているイリーガルはその巨大さゆえサーバーの負担は重く、少しづつ削除されている。時々発する鳴き声はその痛みからなのかもしれない。だが所詮作り物の命とフミエは言う。感情移入するだけ損だと。反発するデンパ。そう彼女は以前に電脳ペットを亡くしていた。 グラウンドの建設の掲示板を見るデンパ。明日、ここでビルの建設が着工される。もうここには住めなくなり、新しい住処に移動しなければならない。ヤサコが見つけた古い空間まで誘導するのだが、様ざまな障害が立ちふさがり困難であった。ハラケンは夜なら川を渡れると考え、明日の午前3時にその作戦を決行することにした。 うまくいくと思われたこの作戦は、街灯の明かりで時間がかかってしまった。そうして、川に着いた時には夜が明け、川もがキラキラと輝いていた。もう、川を渡るのは無理だ。皆があきらめた。クビナガが突然鳴き、川に突っ込んでゆく。川向うの工場の煙突がクビナガの仲間に見えたのであった。止めようと追いすがるデンパにクビナガは聞く耳を持っていなかった。朝日の中、崩れてゆくクビナガ。デンパは最愛のペットであり、友人を失ったのであった・・・。 第14話 「いきものの記録」 絵コンテ:磯光雄 安川勝 演出:高橋知也 作画監督:井上俊之 業界の噂によると、ミゼットシリーズが発売禁止になったのは、隠し撮りや盗み聞きに悪用できるからだそうです。 日々、姉からの虐待にアキラはきたるべき復讐の日のために「証拠画像」を集めていた。電脳ペットのミゼットの機能はまさにうってつけで、その他の人物の観察にも活躍し、思わぬ人の思わぬ場面を捕えもしていた。 一方ハラケンに、謎の男が接触する。彼はハラケンが「事件」に関心を持っていることを知っていて近づいた。ハラケンは事件を知る彼から協力してもらえると思ったが、あまりにも彼は知りすぎていた。ハラケンは警戒する。男はこの事に深入りするなと忠告するのだった。いったい何者なのか?そして、男は最後に4年前の事件を調べろと言い残し去った・・・。 第15話 「駅向こうの少年」 絵コンテ:野村和也 演出:安川勝 作画監督:板津匡覧 駅向こうの子供たちの噂では古い空間の最も深い部分には危険なイリーガルが住んでるそうです。 ヤサコはまだ駅向こうの古い空間を1人調べに行く。見覚えのある景色。そこに第三小の男の子がヤサコを最近ここを荒しているイサコと勘違いし因縁をつけてくる。誤解を解く間も与えられず逃げるヤサコに、タケルという少年が手を差し伸べるのであった。 タケルは優しい少年だった。道に迷ったヤサコを駅まで送ってくれるという。途中、またヤサコは見覚えのある景色にぶつかった。幼少の記憶が呼び覚まされる。おじいちゃんの葬式の日、デンスケを追うヤサコはいつの間にか知らない場所に来ていた。ヤサコはここの近くに4423に出会った場所があるのではないかと確信する。ヤサコの話を聞き、彼女の気持ちをくみ取ったタケルは鳥居が連なる神社に連れていく。だがそこは違っていた・・・。落ち込むヤサコに、タケルは励ます。厚意に感謝すると、タケルは恥ずかしがった。 しかし、どんなに探しても見つからなかった。やっぱり、実在していない夢の中での出来事だったのかもしれない。タケルはもしかするとそこはメガネでしか行けない「古い空間」ではないかと言う。ヤサコは思い出そうとする。4423と別れた後、イリーガルと出会っていた。何かを探し、ヤサコと同じように迷子になっていた。 タケル「あくまで都市伝説の話なんだけど・・・あんまり深い所に行くと戻って来れなくなるって・・・」 生身の体と電脳の体がずれて、魂ごと連れて行かれるのだという。タケルはヤサコに古い空間に入ってしまった時に守らなければならないルールを教える。新しい空間に戻るまで絶対にメガネを外してはいけない。さもなければ、二度と戻れなくなると。 駅ビルで二人は別れる。家に帰るとヤサコは母親から金沢の友達マユミが北海道に引っ越したと聞き、連絡先を渡されるのだが、ヤサコの表情はさえない。 ヤサコから別れたタケルは誰かと連絡をしていた。彼はカンナを知っていた。 第16話 「イサコの病室」 絵コンテ:池添隆博 演出:青柳宏宜 作画監督:井上俊之 吉川真一 業界の噂によると、最初にメガネを作った会社は、心で思い浮かべたものを電脳物質化する技術を発明したそうです。でも、その後どうなったかは誰も知りません。 夏休みはあと一週間。ヤサコはメガ婆が通う病院に居た。病院から連絡が来てヤサコは心配してきたのだけれど、人騒がせなメガ婆を引き取りに来たようなものだった。この病院はおじいちゃんが病院内でもメガネを使えるようにした関係の深いところでもあった。ヤサコは薬を受け取り忘れ一人病院に残ったのだが、以前古い空間で聞いたようなひそひそ声が聞こえて暗がりの二階に上がると、アキラがいやらしい顔してパソコンをたたいていた・・・。 アキラはヤサコに盗撮していたことがばれてしまった。自分まで間抜けな姿を隠し撮りされていたヤサコは怒ったのだが、それらの写真の中に意外な姿が混ざっていた・・・。それはついさっきこの場所で取られたイサコの姿であった。アキラが言うにはこの病院にはイサコの秘密が隠されているらしい。イサコは親せきが退院してからもこの病院を通い続けていた。イサコはもう一つの病室に見舞いに来ている。病室は暗号で結界が施され、中を除けないがアキラはパッチを適用させ潜入に成功する。ヤサコははっと気付く。病室の番号が4423だ。 一方図書館ではフミエとハラケンが四年前の事件を調べていた。あの謎の男の言葉を信じたのだ。四年前メガネの子供たちが数日のうちに次々と意識不明になった。ハラケンはある記事に目を止める。電脳医療に関した意識不明の児童についての記事だった。その児童の名前を見るとイサコと同じ苗字があった。ハラケンはもしこれがイサコの家族であったらと考える。フミエが週刊誌の記事を持ってくる。四年前の事件で、子供たちは同じ幻覚を見ていた。鳥居があり、大きな鍵穴形の黒い影をみていたという。 「証言では鍵穴の中には横断歩道があり、夜だったのにそこだけ夕焼けに染まっていたという」 ヤサコは4423の病室の前にいる。でも、入れるわけない。窓の外を見降ろすとイサコが中庭を歩いている。ヤサコは追いかけるが、見失う。イサコが背後に現れ問い詰める。突然のことに支離滅裂なヤサコはなんとか4423にあなたのお兄さんに会ったことがあるとだけ言えると、イサコは血相を変え、ヤサコの胸元をつかんだ。 やはり、4年前意識不明のままのただ一人の子供はイサコの兄だった。玉子の上司の猫目は玉子に教える。イサコがキラバグを集める理由がこれなのかもしれない。 雨が降り始めた。ヤサコはあなたのお兄さんに何があったのか教えてほしいと懇願した。何年か前に会い、その時何かが起こっていた。それはきっと重要に違いなかった。ヤサコは知りたかった。 イサコ「でもお前は信じない。私がおかしなことを言っているしか・・・」 イサコは語った。兄の電脳の体と魂が共に「あっち」に行ったきり、戻って来ないこと。都市伝説そのままの話ににわかに信じられないヤサコに、イサコはこれまで何度も経験してきた失望と怒りを表し、雨のなかを去ってゆく。 第17話 「最後の夏休み」 絵コンテ:福田道生 磯光雄 演出:野村和也 作画監督:井上俊之 人は死んだらどうなるのか、その心がどこに行くのか、本当の事は誰も知りません。 イサコはキラバグで何をしようとしているのか?キラバグとはいったい何なのか?それぞれの思いがちぐはぐに絡み、展開してゆく。 ハラケンはこれまでずっと一人で考えてきた。彼は自分の言葉がカンナをああいうことになったしまったと責任を感じていたにちがいない。ハラケンもキラバグが「あっち」に行くための道具ではないかと考えていた。ヤサコはイサコが意識不明になった兄を取り戻すためにキラバグを集めていると話した。それを聞いたハラケンは思いつめていく・・・。ヤサコは心配する。このまま彼がふっと消えてしまうような気がしたのだ。 ハラケン「だって、最後の夏休みなんだから」 ヤサコ「うん」 翌日、ハラケンは一人古い空間のところに来ていた。彼はあっちに行くためにイサコに会おうとしていた。イサコらは最後のキラバグを集めあっちへ行く道を開けようとイリーガルを追いこんでいる。しかし、玉子のサッチーが邪魔をする。玉子には絶対にイサコに通路を開かせるわけにはいかなかった。五体ものサッチーを投入したのもその表れだ。イサコはガチャギリとナメッチを囮に、着々と計画を実行していく。だが、勢いを増していく玉子陣営。イサコは、通路がコントロール出来ない所に開いてしまうことを恐れた。去年の悪夢が思い出される。二度とあんな事態を繰り返したくなかった。焦るイサコ。でも打つ手はない。万事休すかと思われた時、背後に現れたのはハラケンだった。彼はイサコに取引を申し出る。サッチーを止めるアクセスコードを教えるかわりに、自分をあっちに連れて行ってくれと・・・。 図書館の前でハラケンを待つヤサコ。昨日見ていたウェブサイトに新たな質問がポストされていた。それは、ハラケンが書き込んだとしか考えられなかった・・・。 「もしミチコさんがなんでも願い事をかなえてくれるなら、死んだ人の苦しみや痛みも癒せますか」 第18話 「異界への扉」 絵コンテ:笹木信作 演出:野上和男 作画監督:秦綾子 ネットの噂によると、メガネの設計や開発の過程は複雑な利権と歴史に彩られているそうです。 次々と破壊されるサッチー。内部から壊されていたのだ。ハラケンはイサコを待っていた。が、何かに導かれるようにハラケンはふらふらと誘われてゆく。ハラケンの前に突如通路が開かれる。大きくひらいた鍵穴に足を踏みこむと、4年前の児童の証言の光景が現われる。カンナがいた・・・。 轟きの様な音が響く。通路が開いたことに気づくイサコと玉子。ハラケンを手招くカンナ。彼を救ったのはヤサコの声だった。ヤサコはイマーゴでハラケンの異常に気づいて叫んだのだ。消失する通路。ハラケンはぎりぎりであっちに行かず済んだ。だが、この出来事はカンナへの思いをさらに強めた。ハラケンの無事な姿を認めたイサコはホッとした。だが、リンクは確立しなかった。倒れているハラケンに駆け寄るヤサコ。ハラケンの電脳体のずれは黒いメタタグで治った。 夕焼けの道。ハラケンの様子が変だった。気遣うヤサコ。思いつめ暗い表情だった。ハラケンはカンナに会わなければならないと思っている。だからあっちに行かなければならない。ヤサコはハラケンの背中を見て話すしかできなかった。2人の距離は開いていた。ヤサコはハラケンがカンナに囚われ過ぎていると思っていた。この一年間ずっと思い苦しんできたのだ。だから、救われてもいいのではないか。ヤサコはハラケンの救済を思い、憚った言葉を使った。だけども、ハラケンは態度をより硬くし、ヤサコの気遣いなど心に届かなかった。 ハラケン「もう、構わないでほしいんだ。自由研究なんてほんとは嘘だったんだ」 ハラケンの部屋。玉子はハラケンが先程現場いたことを知って、ここに来たのだ。ハラケンは自分を責めた。玉子の質問に、自らを追い込んでいくハラケン。カンナは死んだのよと言っても考え方は変わらない。玉子はメガネを取り上げる。抵抗するハラケン。玉子は彼を抱きしめる。 玉子「死人なんかにあなたを渡してなるもんですか」 通路はキラバグに誘発され開くはずなのだが、まだ未知の要因が必要だった。イサコにはキラバグが一つ残っていた。だが今それは使えない。猫目が言うには、さっきの反応は続いていて、何所にまたリンクが開くかわからない状態だという。去年の事態がイサコの頭をよぎる。彼女はそれを阻止するべくモジョを町に解き放つ。 フミエはヤサコの家に泊まることになった。悩んでいるヤサコをほっとけないのだ。父母は親戚の結婚式に、メガ婆は旅行に行っていた。ヤサコは事の顛末を話した。そして、メガネが意識に影響を与えあっちへの通路をみせ、ハラケンの心臓の具合もそれが原因じゃなかと考える。それ聴いて震え、単なる都市伝説だと否定するフミエ。天候のせいか停電になった。メガネのネットがつながっているのを確認すると、部屋に霧が発生しているのに気付く。そして、廊下から夕焼け色の光が洩れている。デンスケの短い悲鳴が聞こえ二階に上がる二人。寝室に黒い穴が開いてい、京子が黒い人に導かれ交差点を歩いていた・・・。 第19話 「黒い訪問者」 絵コンテ:鶴岡耕次郎 磯光雄 演出:木村延景 作画監督:本間晃 押山清高 秦綾子 関係者の噂によると、イマーゴと電脳医療には深い関わりがあるそうです。 京子があっちに連れて行かれた。京子の体はデーターが失われ、真っ黒になっていた。人型イリーガルに襲われぐったりしたデンスケと京子を抱え、不気味な影から逃げるヤサコとフミエ。 メガ婆の部屋は結界が張られイリーガルは侵入できない。周囲は霧が発生し、イリーガルがうようよと徘徊していた。悪いことに京子に熱がある。霧のせいか電話はつながらない。ヤサコはここに来るまでに人型イリーガルに触れられ、電脳体が一部ずれていた。デンスケはその時ヤサコを守ろうと襲い掛かって行方が分からずにいた。ヤサコはもしと考える。考えたことを電脳世界に反映させるイマーゴ。ならば、その逆の現象がありうるのではないか。魂があっちに行くという都市伝説は本当かもしれない。フミエには信じられなかった。単なるメガネが表示する画像にすぎないと言うものの、彼女もまた怯えていた。京子を元に戻すには、ハラケンのときに使われた黒いメタタグが必要だった。人型イリーガルは結界を破って、今まさに侵入しようとしている。 黒電話が鳴った。メガ婆からだった。事情を話すと、メガシ屋のカウンターに一枚あり、そのコイルタグを使えば治る。一人ヤサコはイリーガルがさまよう中、カウンターに向かう。コイルタグは電脳体が三メートル以内で使用しないとだめだ。京子の電脳体が薄くなっている。メガ婆が言うには、京子が古い空間の奥に行っているからだという。ヤサコはコイルタグを手に入れ、おじじの隠し廊下を通り戻る。でも、どうすればコイルタグの範囲内に京子の電脳体を呼び戻せるのか?メガ婆は電話をかけてみろと言うが大事なとこで電話が切れてしまった。 京子は霧が漂う古い空間内をぼんやりと歩いている。目の前に、鳥居が連なる階段があり、祭囃子が遠く響き、露店が連なる。京子はりんご飴を貰い、食べようとする。京子のメガネが鳴った。京子は電話に出る。ヤサコは、飴を捨て、戻るよう言う。露店は消え、亡霊のような人型イリーガルが京子の前に現る。飴を捨て、あわてて逃げる京子。狭い路地に霧が立ち込め、いたるところにイリーガルが立ちふさがり京子は道を失う。その時デンスケの泣き声が聞こえた。電話を通してヤサコもその声を聞く。ヤサコはデンスケの声が聞こえる方に行きなさいと言う。その矢先、ヤサコのいる部屋にもイリーガルが壁を破り入ってくる。隠し廊下に避難すると、壁に古い空間が現われた・・・。 デンスケは倒れる京子を見つけ出し、担いで走る。ヤサコにメガネを通して聞こえる京子とデンスケの声。古い空間同士がつながっていたのだ。ヤサコは叫ぶ。それを聞き付けたデンスケは、イリーガルの隙間を縫い、見えないこちら側に一直線に向かい、ヤサコの前に滑り込んだ。コイルタグは京子の姿を元に戻す。京子を追ってイリーガルもこっちにやってきた。ここから脱出しなければならない。だが、何所に行ってもあいつらはいる。フミエは強行突破を図る! 第20話 「カンナとヤサコ」 絵コンテ:笹木信作 演出:野上和男 安川勝 作画監督:板津匡覧 私の古い記憶によると、最初に用意された体は、命のない空っぽの器だったそうです。 脱出するも、外にも人型イリーガルがいた。挟まれるヤサコとフミエ。そこに現れたのはバイクに乗った玉子とメガ婆だった。すべてのイリーガルはサッチーに初期化される。イリーガルに触られたヤサコは気を失っていた。 土手を歩くハラケンはヤサコがどんなに呼びかけても振り返らない。ハッと目覚めるヤサコ。体は玉子のコイルタグで治っていた。昔メガ婆がオバちゃんに渡したものだ。原料のメタバグがなくなった今、生成できず残りはわずかだった。 ハラケンはカンナのメガネを使っていた。すでに、レベルスリーのフォーマットが申請されている。残されている時間はそうはないはずだ。玉子には自らに課した義務があった。このような事態のそもそもの発端には自分が始めたこと。それゆえ、終わらせるのも自分だとその責任を負う。きっと、彼女はこれまでそれを自らに言い聞かしていたかもしれない。 役所の前、おばちゃんの前にヤサコが駆けてくる。自分も連れて行ってくれと頼んだ。ヤサコは自分が「聞こえる」事を話す。だから、ハラケンが何所にいるかわかると。 ヤサコ「・・・私、ハラケンのこと・・・」 玉子「危険は知っての上だな?」 玉子のバイクに乗り、ヤサコはカンナのメガネの位置を目指す。一体今何が起こり、そしてどうなろうとしているのか?玉子は話し始めた。・・・4年前、同じ現象が起きていた。それは、メガ婆が倒れ記憶を一部飛ばした事件でもあった。ある少女が都市伝説からミチコさんを呼び出す儀式(暗号の手順)を発見した。それは成功し、同様の現象が起きた。電脳コイル、それが電脳体が本体から分離する現象の名だった。 4年前の少女はオバちゃんだった。玉子はイサコとは違う方法で通路を開いたのだ。当時は古い空間がそこらじゅうにあり、キラバグも暗号さえあれば容易に取り出すことが出来た。通路が開き、多くの子供たちが意識を失った。メガ婆はこの事態を収拾するために玉子の願いで奔走し、最後に倒れそれ以前の記憶を失ったのだ・・・。このような事態は玉子にとって最も避けなければいけなかった。同じ過ちを起こした人間として。・・・フォーマットまであと十分を切ろうとしていた。 カンナのメガネを指し示していた辺り。ヤサコは玉子の隙を見て走り出した。ヤサコはハラケンを救うにはあの手段しかないとわかっていた。一体何をするつもりなのだろうか? イサコの言う方法とは、ヌルに触れ分離しハラケンを連れ戻すのだという。それを聞き玉子はヤサコがやろうとしていることがそれだと気付く。2人は通路の前で倒れているヤサコを見つける。ヤサコの体を調べるイサコ。まだ分離して間もなく、こちらの空間と重なった領域にいるはずだとわかる。イサコはその重なった部分を探しに行く。フォーマットは着実にこちらに迫ってきていた。空間が重なった部分に、暗号を掛け、向こう側のヤサコに声をかける。ヤサコは夕暮れの街を歩いていた。イサコに気づき、声の聞こえる壁の前に立つ。イサコは壁に手を当てるようにいう。時間は差し迫っている。ヤサコは言われるようにすると、イサコも浮かび上がったヤサコの手の跡に手を重ね、呼びかけた。 イサコ「これからそっちに暗号を送る。これをハラカワに当てるんだ!」 ヤサコの手に青白い光が移り暗号が浮かび上がる。指に光の指輪が輝く。 イサコ「いいかよく聞け。こいつは一人しか転送できない。おまえは自分の足で戻るんだ!」 ヤサコ「天沢さん!あたし・・・」 イサコ「時間はない。急げ!」 ヤサコ「わかったわ」 濃い電脳霧の中を歩いているハラケン。その先にカンナの姿を見る。その声は小さく聞こえない。ヤサコは何かの声あるいは気配で、カンナの前に立つハラケンの所までたどり着いた。小さく口を動かすカンナの影。ハラケンには聞こえず、ヤサコには聞こえた。 サーチマトン2.0が来た。改造サッチーで対抗するオバちゃん。しかし、2.0はかなり強力で長くは持たないだろう。ヤサコ、ハラケンはまだ帰って来ない。 ヤサコはカンナの言葉を伝える。カンナはハラケンを責めてはいなかった。ハラケンと喧嘩したことを悲しみ、ほめられ、一緒にいれられたのを感謝した。カンナは告白する。ハラケンが好きだったと。ハラケンもカンナが好きだと叫ぶ。 カンナ「さようならケンイチ。もう自分を責めないで」 カンナはヤサコにケンイチの後をお願いした。思いを叶えたカンナはその姿を崩し、消えていった・・・。ヤサコはハラケンの胸に手を当てる。暗号がハラケンの体を包み、少しずつ転送されてゆく。ヤサコは自分の気持ちを告白する。今度は自分の心から出た言葉だった。 ハラケンの電脳体が戻ってきた。ヤサコがやってくれたのだ。2.0はサッチーを破壊し、通路をフォーマットし始める。ヤサコは出口に向かって走る。イサコが2.0に攻撃するも、即座に反撃された。崩れゆく通路。間一髪でヤサコが戻ってきた。ハラケンは意識を回復し、リンクも確立している。安心したのかヤサコは眠気に落ちた。そういえばヤサコは昨夜からずっと寝ていなかった。夜が明けようとしていた・・・。 猫目は何者かと連絡を取っていた。キラバグを使い果たした彼に絶滅したと思われたコイルスノードを探すのが残された手段だという。彼らがやろうとしていることは何なのか?それは、世界の崩壊を防ぐためだと言う・・・?そして、イサコに変調が表れる。誰かが彼女にアクセスしようとしているのだろうか? 第21話 「黒いオートマトン」 絵コンテ:笹嶋啓一 野村和也 演出:笹嶋啓一 作画監督:井上俊之 吉川真一 メガネの開発の歴史によると、昔は様々な投影技術が開発されていたそうです。 第一小と第三小は合併し、ビルの最上階に学校は移された。その始業式の日、ヤサコはタケルを見かける。デンスケはバグが溜まってしまったのか、弱っていた。ハラケンは一度は目覚めたものの、眠り続け学校を休んでいる。イサコにはあの時の違和感が続いていた・・・。 大黒市は全国で二例目の半官半民の行政を執っている。そのためか、変わった行政も多々あり、今回の新校舎移転も行政に関わるメガマス社の系列の意向なのかもしれない。ハラケンもヤサコらと一緒のクラスであったが、彼に何が起こったのか言えるわけなかった。 イサコの違和感は何者かによる不正アクセスなのかと気づく。犯人は第一小の少年らだった。誰に教わったのか暗号を用いてイサコに反撃する。捕まえると暴れ、彼女が肌身離さずにしていた人形を奪い投げ捨てた。それは、自分と兄を模した大切な人形。思い出と深く結びついたものだった。この二人の少年はピンクのミゼットにボスと呼びかけ、指示を仰いだ・・・。 放課後、ヤサコはハラケンを見舞いに病院に来ていた。サッチーの違法改造で首になったオバちゃんもいた。ハラケンは眠り続けている。この病院はメガマス社と市役所と同様に関連があるようだ。オバちゃんがイサコの兄を問い合わせたが、メガマスに聞いてくれと言う返事しかもらえなかった。どうやら裏がありそうだと疑いを深めるオバちゃん。ヤサコは帰ろうとすると、玉子はハラケンが目覚めた時に書いた図案を思い出し見せる。大小の丸が四つ不規則に並んでいる。(どこかで見たような?)ヤサコは心当たりはないというものの、一瞬表情を曇らせる。 パジャマ姿のヤサコ。兄に使うはずだったキラバグをハラケン救出に譲ってくれたイサコに何かできないかと考えていた。そんなヤサコの肩辺りに光が浮かぶ。 登校するイサコ。彼女を見る周りの小学生の視線がおかしい。教室の黒板にイサコの悪いうわさが描かれていた。「イサコに口をきくと呪われる」「カンナはミチコにいけにえにされた」後者の落書きはイサコに重くのしかかった。ヤサコはイサコに近づこうとするが、第三小の子に脅され踏みとどまってしまう。噂の発信源はネットの掲示板の書き込みだった。それはある暗号屋に関する書き込みでイサコ以外に考えられなかった・・・。イサコは学校を出ていく。 掲示板に書かれていたことは、限られた人間しか知りえないことだった。神社でイサコは何度も猫目に連絡しようとするがつながらない。彼女に謎の声が語りかける。声は加工され、だれかはわからない。ピンクのミゼットの影が見える。 声「お前は切り捨てられるんだ…すべての罪を着せられてな」 モジョをけしかけるも、すばしこっいミゼットに難なくかわされた。 声「嘘だと思うか?それなら病院に行ってみるがいい。アッハハハハハ」 4423の病室プレートが外されている。動揺しているイサコ。何度も試すもドアのパスワードも受けつけない。ヤサコはアキラに以前撮ったイサコの兄の写真が見えなくなっているのを知り、イサコが病院に行っていると信じ駆け出す。イサコにまた謎の声が語りかける。その病室にはもう誰もいない。いや、そもそもイサコの兄はとっくのとうにこの世からいなくなっているのだと恐ろしい言葉を吐く。イサコはイマーゴにより何者かによって記憶を書き換えられていたという…。イサコの頭痛はその副作用なのだ。 声「お前は実験に使えわれていたんだ!天沢勇子」 イサコにはきっと足元の土台が崩れる音が聞こえたに違いない。彼女が今まで頼って努力し、犠牲にしてきたことが幻に過ぎなかったのだから。あまりの事に信じられなかった。兄が死んでいたなんて!強引に暗号で病室のドアをこじ開ける。「声」が言う通り病室は空っぽだった…。あの無菌室は年代物の立体投影装置が映し出した映像だったのだ。愕然とするイサコ。声はさらにイサコを精神的に追いこんでゆく。イサコは兄を助けると信じこませられ、古い空間の調査をやらされていたのだ。そして今となって、用済みとなったのだ。 声「お前は逮捕されるんだ。原川研一の一件も、子供の失神事件も、そして葦原カンナの事件もすべてお前の仕業になるんだ」 病院の壁に反転した法の文字が光りだし、黒いオートマトン2.0が出現する。イサコは信じられなかった、信じたくなかった。兄が数年前に死んでいたなんて…まさか。2.0から逃げるイサコ。2.0の攻撃に生き残った一匹のモジョを抱えて、涙ぐむ。そうだ猫目が裏切ったのだ!イサコは攻撃を受ける。何故か手に痛みが走った。2.0はイマーゴを通じて脳に攻撃が可能なのだろうか?神社に逃げ込み振り切ったと思ったイサコに無情にも2.0はゆっくりと神社内のドメインに侵入するのであった。 第22話 「最後のコイル」 絵コンテ:村田和也 野村和也 演出:木村延景 作画監督:押山清高 業界のうわさによると、イマーゴ機能を外すことを出来なかったメガマスは、空間の方を改良をしたそうです。 古い空間、ブランコのそばで後ろ姿の女が呟く。その声はヤサコに似ていた。右手には見慣れた人形が握られている。 ?「この世界を壊してはならないの…誰かがそう願った…必死に、だから私は生まれた…」 追い込まれたイサコの前にヤサコが駆け付ける。電脳局による一斉強制フォーマット開始のアナウンスが大黒市中に響く。大黒市、いやメガマスは何としても邪魔者を消したいようだ。何とかヤサコの家に逃げ込む二人。2.0は家のドメインまでは入れないようだ。 |